▶▶▶ 地酒 青森県 西田酒造店
瑞々しく澄んだ口当たり。温度が常温に近付くにつれ、ミルク系の柔らかい甘さが口の中に広がる。知ったかぶるようで恐縮だが、約25年ほど前、初めて田酒を口にした時のあのインパクトは今でも忘れられない。系統は吉野川や酔鯨と言った、とにかく図太くてこれ以上無いというくらい濃厚な酒であった。当時、樽熟させていたかどうか定かでは無いし多分していないと思うが、あの頃感じていた樽っぽい香りは今も自分の記憶の中にはっきりと残っている。あの頃感じていた香りと味わいは幻だったのか?今の田酒はいかにも現代的な味わい。これはこれで本当に美味しく素晴らしい味わいであると思うが、特にずば抜けて個性があるという訳でもない。完成された今のこの味わいも、もちろん大好きであるが、いい意味で野蛮だった頃の、あの強烈な味わいが、今も懐かしく、自分の中で田酒と言えば、やっぱりあの頃の味わいなのである。
2014.09.07
『 店長日記 』 味わいの記憶
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■ information
2014.08.21 お酒購入
2014.08.07 写真撮影